中野吉之伴氏 特別講演会「ドイツサッカー躍進の深層に迫る」

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1月12日、ボンフィンフットボールパーク落合南長崎にて、中野吉之伴氏による特別講演会が開催されました。

『ドイツサッカー躍進の深層に迫る』と題し、今年でドイツ滞在13年目となった中野氏が肌で感じてきたドイツサッカーについて語っていただきました。

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中野吉之伴氏は2001年からドイツに渡り、13年間で育成年代のU−13、U−15〜16、U−18〜19と様々なカテゴリーに携わった経験を持つ日本人指導者です。(詳しい彼の紹介はこちら)

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まず、「ドイツサッカー躍進の理由」の概要を簡単に説明してくれました。

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ここから「底辺層のサッカー環境」というテーマに移っていきます。

トップのチームからではなく、サッカー文化を体感するために“底辺”からスタートした中野氏だからこそのテーマと言えます。

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まずは、ドイツ国内のリーグシステムから紹介していただきました。

日本とは違って、1部であるブンデスリーガから下部のアマチュアリーグまで多くのカテゴリーに分かれており、ドイツにおけるサッカー人気の高さや競技人口の多さが伺えます。

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次に、各リーグ内の仕組みについて触れていきました。

話を聞く限り、日本でも散見される部分はありましたが、何より下部のリーグにおいても試合の結果や得点者、選手・監督のコメントなどを報じるメディアがしっかりと存在していることに驚かされました。

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中野氏が2010−11シーズンまで在籍していたフライブルクの強豪、フライブルガーFCを例に挙げながら説明していきました。

創立1897年という歴史の長さが、サッカー文化の違いを物語っています。

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彼が現場で感じた、ドイツにおけるアマチュアサッカーのレベルの変化について語ってくれました。

おそらく5年間という長期スパンでドイツサッカーの変わりぶりを話せる日本人指導者はなかなかいないでしょう。

どちらにも共通している「ツヴァイカンプフ(ドイツ語で“1対1でボールを競り合う”という意味です)」、「気合い/闘争心/走力」という言葉はドイツサッカーの根幹とも言える要素だと分かります。

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次に、「育成層のサッカー事情」というテーマに移っていきます。

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こちらは15年前の育成と現在の比較になります。

「昔のドイツでは、時代の移り変わりとともに様々な娯楽が現れ、根性論、結果優先のサッカーはあまり魅力的なスポーツではなくなりつつあった」と言います。

そこから、様々な改革を経て現在のような形となったそうです。

とりわけ「オープンな情報提示」という部分の説明では、協会のWebサイトで様々な年代に合わせた練習メニューを検索できるらしく、多くの人がサッカーの指導に携われるようになったと言います。

これは日本サッカーにも還元できる要素ではないでしょうか。

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次に、「プロ・アマチュアクラブの関係」へとテーマは移っていきます。

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SCフライブルクを例に挙げながら、クラブ間の関係性を見ていきました。

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特に興味深かったのが、地元への貢献という部分でした。

地域の中でも、中心地から外れたクラブに対してはプロの指導者を派遣し、トレーニングのデモンストレーションを行なったり、優秀な選手を練習参加させたりしているそうです。

そうすることで、地域の強豪クラブだけでなく、地域全体のレベルアップを図っているのです。

これも日本に落とし込める部分ではないでしょうか。

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最後に「日本人が海外で活躍するためには」というテーマに移っていきます。

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現在、多くの日本人選手が海外挑戦への登竜門としてドイツに渡っています。

そんな選手にとって必要なものとは何なのか?

フライブルクに所属していた矢野貴章選手(2010−12まで在籍/現在名古屋グランパスエイト)の例に触れながら、ドイツ滞在が長い中野さんの視点で話してくださいました。

その後質疑応答を経て、90分の講演会は終了しました。

今回も簡潔に振り返らせていただきましたが、もちろん講演会ではなかなか聞けないエピソードもあり、とても中身の濃い内容でした。

また、90分の講義のみの構成でしたが、終了後の質疑応答では多岐に渡った質問がなされ、参加者の方々にとって非常に意味のあるものになったようです。

さらに講演会自体が終わっても中野さんとお話したい方で長蛇の列もでき、とても大盛況の中、終えることができました。

最後に、連休の中日にもかかわらず足を運んでくださった参加者の皆様、本当にありがとうございました。

そして、いつも会場を提供してくださるボンフィンフットボールパークの関係者の皆様、時差ぼけの抜き切らない中、入念な準備をしてくださった中野吉之伴氏には心から感謝致します。

弊社では引き続き、日本サッカー界に尽力する指導者の方々にとって役に立つ講習会・講演会を開催していく予定です。

今後ともどうぞよろしくお願い致します。