2016年8月26日から9月4日の日程で、清水エスパルス U−14の皆様がスペインのバルセロナ、バレンシアにて遠征を行いました。(前編はこちら)
選手達がビジャレアルBチームのトレーニングを見学している間、清水エスパルスのスタッフはビジャレアルのスタッフの案内でクラブオフィスや選手寮などを見せてもらいました。
また、アテンドである尾崎剛士の通訳を通して、ビジャレアルがもつ育成哲学や他では聞けない育成事情など、非常に中身の濃い話を聞かせてもらいました。清水エスパルスが持つ育成哲学などについてディスカッションする場面もあり、スタッフにとってとても充実した時間になったようです。
練習やトレーニング施設を見学した後は、ホテルに戻って昼食を食べ、少し休憩をとりました。休憩後、今遠征に多大なるご協力をいただいているグリコ様の会社紹介を選手向けに行いました。選手にとっては普段からサポートいただいているスポンサー様のことを改めて知ることができる良い機会となりました。
夕方からは、前日に行ったレバンテUDとの強化試合をもとに分析ミーティングを実施しました。実際にクラブが使用している分析メソッドを使用し、攻守における課題などをビデオを使いながら分析を行いました。
分析ミーティング後は、当初予定していたレバンテコーチによるトレーニングを変更し、連戦の疲労を解消するためのリカバリートレーニングを行いました。
遠征6日目からついにグリコインターナショナルチャレンジカップが開幕します。
朝食後、選手・コーチ陣は予選リーグを戦うためアルボラヤUDのホームスタジアムへ向かいました。
初戦は世界的にも知名度の高い、リーガ・エスパニョーラ1部に所属するバレンシアCFでした。試合は拮抗した状態が続き、お互いにチャンスを作る展開となりましたが、0-0で前半を折り返します。
後半開始後、最初のチャンスをバレンシアCFがものにします。その後、0-1でリードされる状態がしばらく続き、そのまま試合が終わるかと思われた終盤、清水エスパルスが同点に追いつきます。試合はイーブンのまま終了し、初戦は引き分けに終わりました。
第2試合である同じグループのバレンシアCFとUDアルシーラの対戦が終了した後、第3試合UDアルシーラとの試合を行いました。直前の試合でバレンシアCFが2-1で勝利したため、引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まる状況でした。
試合では序盤から相手を圧倒し、早い時間帯で2得点を積み上げ、アドバンテージを持って試合を進めていきます。その後失点をするもののさらなる追加点をあげ、4-1で試合を終えました。
予選リーグ全てを終え、バレンシアCFと勝ち点4で並んだものの、得失点差で清水エスパルスが1位通過を決めました。この結果により翌日の準決勝では、何人もの選手をトップクラブに輩出する強豪街クラブ、アルボラヤUDと対戦することになりました。
遠征7日目から、グリコインターナショナルチャレンジカップの決勝トーナメントが始まります。準決勝の相手は、私たちが宿泊している街アルボラヤの地元クラブ、アルボラヤUDでした。地元クラブなだけあり、観客席は多くのアルボラヤサポーターが詰めかけました。
試合開始前、主審が到着しないというハプニングもありましたが、なんとか30分遅れで試合が始まります。前半開始3分、早々に清水エスパルスが先制点を奪います。その後続けて追加点をあげ、一気に2-0とリードを広げ前半を終えました。後半にもさらに追加点をあげ、4-1で危なげなく勝利しました。
決勝戦はお互いに一度対戦していたこともあり、拮抗した展開が続き、そのままスコアレスで前半を終えます。後半が始まってもお互いの良さを消し合う試合展開が続き、なかなかゴールを奪うことができませんでした。そんな中、清水エスパルスがクロスボールを押し込んで先制点をあげました。その後そのままリードを守りきり、見事清水エスパルスがグリコインターナショナルチャレンジカップのタイトルを獲得しました。
今回の決勝戦をもって、今遠征で予定されている強化試合はすべて終了しました。ここまでそうそうたる強豪クラブを相手にしてきたにもかかわらず、戦績は6勝1分けと素晴らしい結果に終わりました。今遠征を通して言えることですが、決して大きいとは言えない小柄な日本人選手達が一回り大きいスペイン人選手達に対して負けずに競り合っている姿は大変見応えのあるものでした。戦績だけを見ると選手達とって手応えのあまりない遠征だったように感じるかもしれませんが、勝てるか勝てないかといったギリギリの戦いを経たことで、選手達や監督陣にとって大きな財産となったはずです。
遠征8日目は、午前中にバレンシア市内の観光を行いました。バレンシア市内までは地下鉄を利用して移動し、その後2グループに分かれて観光を行いました。
選手達は道中のお土産屋さんで買い物をしたり、バレンシア市内の見所でもあるカテドラル(大聖堂)や街並みの写真を撮ったりして楽しんでいるようでした。
途中で寄ったバレンシア中央市場では、日本の市場とは違った果物や野菜、そして活気ある雰囲気を楽しみました。
市内観光からホテルに戻ったあと昼食をとり、午後のトレーニングに向けて準備を行いました。ホテルからバスでバレンシアCFの練習場へと移動し、普段バレンシアCFの下部組織がトレーニングしている場所でトレーニングを行います。バレンシアCFのコーチによるトレーニングでは、簡単なウォーミングアップから始まり、対面パス、ロンド(ボール回し)、ポゼッション、試合形式のトレーニング、最後にPK合戦というような流れで進んでいきました。連戦明けということもあって比較的シンプルな内容となっており、選手達は多少の疲れは見えつつも最後までこなしました。
トレーニング後、コーチ陣達の厚意もあり、施設内を見学させてもらいました。施設内はバレンシアCFのチームカラーである白、黒、オレンジが配色として使われていたり、扉や壁のいたる所にエンブレムが描かれており、選手やスタッフが常にクラブの一員であることを想起させる工夫がされていました。ホテルに戻ってからは夕食の時間まで少し休憩をとりました。スペイン滞在最後の夕食を食べ、各々部屋に戻って就寝しました。
遠征最終日には日本へ帰国となります。ホテルからバレンシア空港まではバスで移動しました。バレンシア空港からはフランクフルト経由でトータル13時間弱の長旅をし、無事に羽田空港へと帰国しました。
当遠征の様子は清水エスパルス様の『育成だより』でもご覧いただけます。こちらも是非ご覧ください。