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前半立ち上がりから終始清水エスパルスの流れが続き、相手にシュートチャンスすら与えません。前半10分過ぎに清水エスパルスが先制点を決めると、その後も攻撃の手を緩めることなく得点を重ね、3-0で前半を折り返します。
後半になっても清水エスパルスのペースは変わらず、相手を圧倒し続けます。前半同様に得点を重ね、5-0で試合終了となりました。ここまでの相手に比べて少しチームの完成度が劣るCEサバデルとなりましたが、明日以降始まるグリコカップに向けて良いイメージを持つことができました。

遠征7日目は、いよいよグリコカップの開幕です。朝食を食べ、午前中を少しゆっくり過ごした後、試合会場となるエスパニョールの練習場へ移動しました。
到着後は併設されているバルで昼食を食べ、その後は開幕戦となるマラガCFとRCDエスパニョールの試合を少し観戦しました。スペインのチーム同士でなおかつタイトルのかかった真剣勝負なだけに、キックオフからハイテンションな試合展開となりました。縦に早いマラガCFと後方から組み立てるRCDエスパニョール、対照的なチーム同士の戦いでしたが、結果は1-1の引き分けに終わりました。
プレー強度の高い試合を観た清水エスパルスの選手たちは、今までと違う雰囲気の中、モチベーション高くウォーミングアップに入っていきます。初戦はCFダム戦となり、普段のリーグ戦からFCバルセロナやRCDエスパニョールなどのトップクラブと戦う、育成に定評のある強豪クラブです。
試合は、始まりとともにCFダムの一方的な試合展開となります。細かくコーチングする監督のもと、右に左にボールを保持するCFダムはなかなか隙を見せることなく試合を進めていきます。一方の清水エスパルスは、今までとは違う流れを断ち切ることができず、ボールを奪ってもすぐに取り返されてしまいます。しかしながら終始CFダムが押し込んでいましたが、スコアレスで前半を終えます。
後半になっても、CFダムのペースは変わらず、清水エスパルスが押し込まれる展開が続きます。そしてついに、今遠征初の先制点を相手に許してしまいます。その後自分たちの思うようにプレーさせてもらえず失点を重ね、0-4とスコアを大きく離されてしまいます。試合終盤、相手DFからボールを奪うなどして2点返しますが、終了間際にも失点してしまいトータルスコア2-5で敗れてしまいました。

CFダムとの試合から50分ほど休憩をはさみ、グリコカップ2戦目にマラガCFと試合を行いました。
前半、マラガCFは開幕戦同様に縦に早いサッカーをしてきます。相手の監督からも縦のロングボールを出す指示が出され、清水エスパルスは自陣に押し込まれてしまいます。しかし、相手の隙をついて清水エスパルスが先制点を奪います。その後同点に追いつかれますが、終了間際に追加点をあげ、2-1で前半を終えます。
後半になると、お互い2試合目ということもあり、オープンな試合展開となります。お互いチャンスを作りながらもなかなか決めきれませんでしたが、後半の終盤に失点し、2-2の引き分けに終わりました。

遠征8日目は、グリコカップ2日目最終日です。朝食後、午前中を少しゆっくり過ごし、試合会場となるエスパニョールの練習場へと移動しました。
到着後はRCDエスパニョールとの試合まで時間があるため、グリコカップ2日目の初戦、マラガCFとCFダムの試合を観戦しました。

試合は清水エスパルス戦の時と同様にCFダムがボールを保持し、イニシアチブを握る展開となりました。この試合で最後となるマラガCFは、アンカーの黒人の選手を中心とした堅い守備で決定機を作らせず、押し込まれるものの0-0の時間帯が続きます。そして、CFダムの隙をつき、ミドルシュートからマラガCFが先制点を決めて1-0で前半を折り返します。後半も続けてCFダムが試合をコントロールし、ようやく同点弾を決めて1-1で試合が終了しました。

グリコカップ2日目の第2戦は、清水エスパルスとRCDエスパニョールの試合が行われました。
清水エスパルス戦後にCFダムとの試合を控えるRCDエスパニョールは、前日とは少し違うスターティングメンバーで臨んできました。前半は、お互いにチャンスを作り、一進一退の試合展開となります。前半をスコアレスで折り返すと、後半は互いにメンバーを大きく代えていきます。メンバーが代わってギアを1つ上げてきたRCDエスパニョールは、後半になって清水エスパルスを圧倒します。次々とチャンスを作っていくRCDエスパニョールに対して、マイボールにして繋ぐのが精一杯の清水エスパルスは、ひたすら耐え忍ぶ形となりました。
後半途中、RCDエスパニョールに対しPKを取られてしまいますが、相手のシュートはポストに嫌われます。その後もRCDエスパニョールは何度も決定機を作りますが決めきれません。徐々に焦りも見られ前掛かりになってきたRCDエスパニョールに対し、清水エスパルスも相手の裏のスペースを突いて決定的なチャンスをむかえます。しかし、両チーム共に得点をあげることができず、スコアレスドローで試合が終了しました。

試合終了と共に頭を抱えて悔しがる相手チームの選手と監督陣、そして連戦の疲労の中なんとか耐えきって地面に座り込む清水エスパルスの選手たち。勝利で飾ることはできなかったものの、今遠征最後の試合として素晴らしい戦いを見せてくれました。
この結果を受けて清水エスパルスの優勝はなくなり、グリコカップ最終戦のRCDエスパニョールとCFダムの試合が事実上の決勝戦となりました。最終戦は、後半途中までRCDエスパニョールが1-0とリードしていましたが、終了間際にCFダムが同点弾を決め、勝ち点の上で上回り優勝を決めました。

グリコカップの表彰式を終えた後、隣のスタジアムでやっていたRCDエスパニョールのユーストップのリーグ戦を観戦しました。自分たちがいずれ到達するカテゴリーのトップレベルの試合を観たことで、各選手たちは様々なことを感じたはずです。

スペイン遠征最終日は、習慣となった散歩をし、朝食を食べて出発の準備を行いました。
出発まで各自部屋で少しゆっくりした後、バスでバルセロナ空港へと向かいます。空港では、バルセロナにて現地のアテンドを務めてくださった大谷津さんに別れを告げ、搭乗口へと向かいました。
その後、チームはドイツのフランクフルトを経由して羽田空港へと無事帰国しました。
当遠征の様子は清水エスパルス様の『育成だより』でもご覧いただけます。こちらも是非ご覧ください。