9月14日(月)かもめパークにて「第4回ジョアン・ミレット指導者講習会:テーマ:ハイボール」を開催しました。
コーナーキックやクロスのハイボールに怖くて飛び出せない、自信がないGKは少なくありません。
今回は「GKの恐怖心を取り除き、自信を持ってハイボールに取り組ませるためにはどうすればよいか?」ということにフォーカスして講習会が進んでいきました。
「ハイボールに苦手意識があるGKに対して、単純に何百回、何千回とコーナーやクロスを蹴ってあげてもうまくなることはありません。大切なのはGKが『なぜ』ミスをしてしまったのかを自分自身で評価できるように育てていくことなのです」
とジョアンは言います。
「ハイボールでミスをしてしまったのは、『キャッチングの技術ミス』なのか、『ポジショニングのミス』なのか、『ステップの入れ方の問題』なのか、もしくは別の要因なのか。それがわからなければ最初のプレーでミスをしたGKはその試合を通じて再度ハイボールにチャレンジすることはなく『今日は調子が悪い』と片付けてしまいます。逆に、原因がわかれば次はそれを意識すればよいだけなので、GKは臆せず次のハイボールにもチャレンジするはずです」と続けて説明しています。
では、具体的にどのように恐怖心を取り除き、自信を深めさせるのでしょうか?
今回はコーナーキックに多くの時間を割きながら講習会は進んでいきました。
多くのGKはコーナーキックになると不安を感じます。
ですが、果たして恐れるほどの距離からボールが蹴られているのでしょうか?
ゴールエリアのギリギリまで飛び出すのはそんなに難しいことでしょうか?
ジョアンはGKに怖くない、難しくないと認識させるためにテープを使用して説明していました。
実際に目で見て、感じることでGKはより指導者の説明に納得し、自信を深めていきます。
次に、ジョアンが考える「コーナーキック時にとるべきポジショ二ングとその理由」を説明していました。
・なぜファー寄りにポジショニングをとるのか?
・そこに立つとどんなアドバンテージを得ることができ、逆にそこに立たないとどんな不都合が起きてしまう可能性があるのか?
・なぜゴールライン上ではなく、1歩前に出なければいけないのか?
・なぜ斜めに構えなければいけないのか?
それぞれ細かく、論理的に説明していました。
加えて、
「コーナーキックの時は、GKはボールが蹴られてからしか動いてはいけません。1歩ステップを入れるとボールは約15M進みます。つまり、間違った方向にステップをいれて、戻すだけでボールは30M進むのです。だからこそ、GKは落ち着いて、ボールが蹴られてから正しい方向にステップを入れる必要があります。」
とジョアンは言います。
具体的な数字を使うことで、『GKはボールが蹴られるまで動いてはいけない』という重要性をより深く理解します。
その後、「どのように」、「どこに」動くのかについて、マーカーを使用して説明していきました。
多くのGKはコーナーキックの際、ボールに近い方の足を先に動かしてしまいますが、ジョアンの理論はそれとは全く逆で、遠い足から動かすべきという考えを持っています。
そうすることによって、より効率的にボールへアプローチすることができるようになるのです。
また、蹴られてから小さく、細かいステップを入れてしまうことも、時間と距離を無駄にしてしまうので、絶対にしてはいけないプレーであると、実技をしていただいた指導者の方々に細かく指導していました。
今回の講習会では、指導者の方々に実際に実技に参加していただくことが多かったこともあり、質疑応答も盛況で、非常に中身の濃い講習会となりました。受講いただいた皆様、ならびに会場を提供していだたきましたかもめパークの関係者の皆様に心より御礼申し上げます。
今後も株式会社アレナトーレは日本サッカーの発展に寄与される方々の学びの場をご提供できるよう尽力してまいります。次回のジョアン・ミレット指導者講習会第5回テーマ「セービング」は10月5日(月)20時〜22時より、フットサラ町田にて開催予定です(お申込・詳細はこちら)
皆さまのご参加をお待ちしております。
「第1回ジョアン・ミレット指導者講習会 テーマ:指導メソッド概論」のレポートはこちら
「第2回ジョアン・ミレット指導者講習会 テーマ:キャッチング」のレポートはこちら
「第3回ジョアン・ミレット指導者講習会 テーマ:ポジショニング」のレポートはこちら
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